違いを知って使い分ける!ヒラギノ角ゴ、ヒラギノUD角ゴ、ヒラギノUD角ゴFを徹底比較!
こんにちは、ヒラギノフォント公式note編集部の正木です。
ヒラギノフォントには「ヒラギノ」「角ゴ」と名の付くファミリーがいくつかあり、今回はその中の3つのファミリーについてご紹介したいと思います。
まずはみなさんご存知の「ヒラギノ角ゴ」。そして「ヒラギノ角ゴ」の基本デザインを受け継ぐ、ユニバーサルデザイン※フォントの「ヒラギノUD角ゴ」「ヒラギノUD角ゴF」です。「ヒラギノ角ゴ」は1994年、「ヒラギノUD角ゴ」は2009年、「ヒラギノUD角ゴF」は2011年と、順番にリリースされました。
この3つのファミリーには似ている部分がある一方で、違っているところもたくさんあるんです。ヒラギノ角ゴだとしっくり来ない、という場面でも「ヒラギノUD角ゴ」「ヒラギノUD角ゴF」ならぴったり合うかもしれません。
今回はそんな「ヒラギノ角ゴ」「ヒラギノUD角ゴ」「ヒラギノUD角ゴF」はどこがどう違っているのかを詳しくお伝えします。本記事を読んで、ぜひ3つのファミリーを使い分けてみてくださいね。
なお、記事内画像のウエイト(太さ)は特筆しない限り「W6」を使用しています。
※ユニバーサルデザイン
性別、年齢、国籍、言語の違いや障がいの有無などにかかわらず、できるだけ多くの人が利用できるように、製品、施設、環境などの設計を行うこと。
文字の形
ヒラギノ角ゴ
ヒラギノ角ゴは洗練された骨格にバランスのとれたフトコロ・重心を持ち、日本語ゴシック体のスタンダードといっても過言ではないでしょう。線同士の空間は一定になるよう1文字ずつ調整され、遠くから見ても潰れず読みやすい卓越した視認性を持っています。
ヒラギノUD角ゴ
ヒラギノ角ゴの基本デザインを受け継ぎつつも、すっきり柔らかい骨格を採用。ひらがな、カタカナのストロークの先端部分にはやや丸みを持たせ、落ち着いた印象を与えます。濁点・半濁点は大きめにデザインされています。
ヒラギノUD角ゴF
Fine & Flat をコンセプトにデザインされ、文字を並べた時に横方向の均一なラインを生み出し、明快でハキハキとした印象を与えます。ヒラギノUD角ゴ同様、濁点・半濁点は大きめにデザインされています。
字面
文字が配置される枠の中における実際の文字の大きさで、見やすさや文字を並べた際の印象に影響を与えます。
ヒラギノ角ゴ
版面(文字や図版の入る領域)のグレートーンを揃えるため、文字同士のすき間を均一にする処理に加え、字面をやや大きめに設定。縦書き横書きどちらでも文字間の空きすぎを軽減し、高水準の読みやすさを実現しています。
ヒラギノUD角ゴ
ヒラギノ角ゴに比べやや字面は小さめ。長い文章でも文字間にほどよい空間が生まれ、読み続けても疲れにくい設計。UDフォントと聞くと字面が大きめのフォントを思い浮かべる方もおられるかと思いますが、ヒラギノUD角ゴは少し違う考え方でユニバーサルデザインを体現するフォントです。
ヒラギノUD角ゴF
ヒラギノUD角ゴFの字面はやや大きめ。組込み機器における画面表示やサイン・ディスプレイで美しい文章のラインを生み出します。
欧文・数字
ヒラギノ角ゴ
シンプルで堂々とした欧文。力強い数字は高い視認性を生かして、店頭での価格表示やイベントの日時表記に使うのもおすすめです。
ヒラギノUD 角ゴ/ヒラギノUD 角ゴF
視認性が高く、シンプルで自然な骨格が特徴。アルファベットのC や数字の3・6などの開口部を広くとることで読み間違いを防いでいます。
文字幅
ヒラギノ角ゴ
一般的なフォントと同様、ウエイト(太さ)によって文字幅が異なるデザイン。
ヒラギノUD 角ゴ/ヒラギノUD 角ゴF
ヒラギノUD フォントの欧文は、ウエイトが変わっても文字幅が同じ。ウエイトを切り替えても、改行位置・テキストエリア幅などの体裁が崩れません。
ウエイト・文字セット展開
ウエイトは文字の太さ、文字セットは「フォントに含まれる文字の種類と数」を意味しています。文字セットについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、参考までにご覧ください。
ヒラギノ角ゴ
ウエイトはW0からW9、文字セットも最も多いPr6N まで網羅しておりどんな場面でも困ることはありません。
ウエイト:W0 / W1 / W2 / W3 / W4 / W5 / W6 / W7 / W8 / W9
文字セット:Std / StdN / Pro / ProN / Pr6N / Upr ※ウエイトによって異なります
ヒラギノUD 角ゴ/ヒラギノUD 角ゴF
本文に最適なW3から、見出しをはじめ幅広く使えるW6まで使いやすいウエイトバリエーションを展開。
ウエイト:W3 / W4 / W5 / W6
文字セット:Std / StdN
使用例紹介
「ヒラギノ角ゴ」「ヒラギノUD角ゴ」「ヒラギノUD角ゴF」それぞれの特徴を踏まえて、使用例をご紹介します。
汎用性の高さが特徴なので「こんな使い方がぴったりです!」というよりは、あくまでも一例、こんな使い方はどうでしょうか、くらいで見ていただけると幸いです。
ヒラギノ角ゴ:案内サイン、スマートフォンアプリ、広告キャッチコピーなど
ヒラギノUD角ゴ:Webフォント、製品マニュアル、展示の解説文など
ヒラギノUD角ゴF:食品包装、家電製品のユーザーインターフェース、テロップなど
おわりに
今回は「ヒラギノ角ゴ」「ヒラギノUD角ゴ」「ヒラギノUD角ゴF」の違いについてお伝えしました。
やはり一番人気は「ヒラギノ角ゴ」で、使われる頻度も段違いですが、「ヒラギノUD角ゴ」「ヒラギノUD角ゴF」もとてもよいフォントなのでもっと使ってもらいたい…という気持ちで書きました。
本記事がきっかけで「ヒラギノUD角ゴ」「ヒラギノUD角ゴF」を使ってみたり、「ヒラギノ角ゴ」の魅力を再発見いただけたりしたら幸いです。今後ともヒラギノ角ゴたちをよろしくお願いします。