YouTubeで使われているフォントを調べてランキングを作った【サムネイル編】
みなさんこんにちは、ヒラギノフォント公式note編集部の正木です。
YouTubeの101チャンネル、動画505本のフォントを調査してランキングを作る企画の後半、【サムネイル編】をお送りします。
前回の記事【テロップ編】はこちらからご覧ください。
サムネイルはYouTubeの一覧画面で、動画の中身を簡潔に伝えるために表示される小さな画像です。ユーザーがまず目に触れる部分であり、閲覧数へ与える影響が大きいことは間違いありません。
使われているフォントにどのような傾向があるのか、早速ランキングを見ていきましょう!
調査方法について(ランキング閲覧前に必ずお読みください!)
前回記事と同じですが、大事なので改めて記載します。
上記の通り、人力での調査であり精度については怪しい部分も多々あるかと思いますので、あくまで当社調べとして参考程度にご覧いただけたら幸いです。
ランキング:1〜16位
動画名の後ろの数字は505本中、何本で使用されていたかを表します。そのフォントが使われている動画と一緒にご紹介します。
1位:ヒラギノ角ゴ(129本)
1位:サムネイルにフォントなし(129本)
同率1位は、サムネイル上の文字「なし」でした。普段そこまでYouTubeを見ない私の中では、人気動画のサムネイルは総じて大きな文字!インパクトのある顔!という浅いイメージしかなかったので認識を改めました。
3位:けいふぉんと!(16本)
4位:凸版文久見出し明朝(15本)
5位:UD角ゴ_ラージ(11本)
5位:凸版文久見出しゴシック(11本)
7位:ルイカ(10本)
7位:ラノベPOP(10本)
7位:ヒラギノ明朝(10本)
10位:源ノ明朝(9本)
10位:ロゴG(9本)
12位:小塚ゴシック(8本)
12位:マティス(8本)
14位:古今江戸(7本)
14位:コーポレート・ロゴ(7本)
16位:くろかね(6本)
16位:スランプ(6本)
17位以降含む全ランキングはこちら
カテゴリ別の集計
動画本数が多かったカテゴリ順に紹介していきます。
エンターテイメント(250本)
エンターテイメントカテゴリではヒラギノ角ゴに次いで、凸版文久見出し明朝/凸版文久見出しゴシックの凸版文久体が人気。
ゲーム(85本)
テロップと同様、サムネイル上の文字「なし」が1位。ゲーム画面の情報量だけで視聴者に伝わるのかもしれません。
映画とアニメ(55本)
ブログ(25本)
ニュースと政治(25本)
音楽(20本)
ハウツーとスタイル(20本)
スポーツ(15本)
教育(5本)
ペットと動物(5本)
考察:テロップとサムネイルの傾向のちがい
テロップのランキングとサムネイルのランキングを比較して気づいたことをまとめます。
サムネイルの方が、フォントのバリエーションが豊富。動画505本の中で、テロップはフォントが全56ファミリー。サムネイルは全72ファミリーでした。
サムネイルにはインパクト重視で、テロップとは異なるデザイン性の高い様々なフォントを使っているチャンネルも多く見られました。
明朝体はテロップよりサムネイルで多く使われていました。言い換えると、テロップではあまり明朝体が使われていないとも言えそうです。
各ランキング15位までの明朝体を見ると、テロップでは「ヒラギノ明朝(11位)」「マティス(15位)」の2ファミリー。
サムネイルでは「凸版文久見出し明朝(4位)」「ヒラギノ明朝(7位)」「源ノ明朝(10位)」「マティス(12位)」の4ファミリーでした。
明朝体が使われた動画本数で比べると、テロップでは合計26本(テロップ全体の5.1%)、サムネイルでは46本(サムネイル全体の9.1%)です。
動画ではテロップ含めて画面が次々切り替わるので、ぱっと見たときの伝わりやすさ(=視認性)を重視してテロップにゴシック体を使っているのかもしれません。
もちろん明朝体をテロップのメインに使っている動画もありましたが、通常時はゴシック体、ツッコミや強調する場面で明朝体とテロップでも使い分けている動画が多かった印象です。
テロップとサムネイルのランキング順位に大きな差がある(使われ方に差がある)フォントをピックアップしてみました。
テロップではよく使われているが、サムネイルではあまり使われていないフォント:新ゴ、ゴシックMB101、スーラ、スキップ
比較的スタンダードなフォントが並んでいますね。
サムネイルではよく使われているが、テロップではあまり使われていないフォント:凸版文久見出し明朝、小塚ゴシック、古今江戸、くろかね
小塚ゴシック以外は見出し書体です。
おわりに
最後までご覧いただきありがとうございました。
調査、とっても大変でした!思いつきでやるようなことではなかったです。
調査を一緒に実施した、もう一人の編集メンバー:三宅からのコメントも掲載します。
調査の進め方として、とりあえずよく見られている順に見ていけばバランスよく調査できるだろうという考えは浅はかでした。
エンターテイメントカテゴリの割合が非常に多かったり、1つの動画の中で多様なフォントが使われているけれど調査の仕様上記録として残せなかったり。今回の調査では明らかにできなかった部分も非常に多いなと感じています。
調査が終わった直後は「絶対に二度とやらないぞ」と思っていたのですが、少し時間が経ったいま、気になることも出てきました。
例えば累計再生回数順ではなく、直近1ヶ月の再生数回数のチャンネルランキング順に調べたらどうなるだろうとか、来年の同じ時期に同じ調査をしたらどういう傾向の違いが出るんだろうとか。
要望をいただけたらもっとやる気が出て、実現する可能性が高まるので、応援メッセージ、お待ちしています!